石畳は、古くから神社の参道などに敷かれていることから、その上を通るだけで趣を感じられることでしょう。そんな石畳を家の庭に敷くことで、上品で高級感のあるお庭を作ることができます。また、さまざまな種類があるので、お庭のオリジナリティを追求するのにも最適です。
そこでこの記事では、庭にぴったりな石畳の種類や敷き方をご紹介しています。「自宅の庭にも石畳を敷いてみたい」という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【種類】庭の石畳はこの3つが多い
庭に石畳を敷く場合、どのような種類のものを敷くのが適しているのでしょうか。まずは石畳に使われる、代表的な3種類の石をご紹介していきます。
天然石
天然石とはその名のとおり、自然が生み出した個性を大切にして加工された石のことをいいます。色合いがそれぞれ異なったり、天気によって見え方が変わったりします。よく水晶やアクセサリーにも用いられるので、見たことあるという方も多いでしょう。
天然石には以下のような種類があります。
〇ピンコロ
駐車場などで使われているのを多く目にするのがこちらの石です。小舗石(しょうほせき)とも呼ばれており、サイコロのような形をしています。ひとつあたりの価格が100円程度で売られていることから、初心者でも手軽に始めやすいのではないでしょうか。
〇御影石
この石は、雨風に強く非常に耐久性に優れています。ですが、本磨きをしてツヤ出すような加工によって、滑りやすくなってしまうこともあるので注意が必要です。
〇大谷石
大谷石は栃木県宇都宮市規制部の大谷町の付近のみで採掘することができる珍しい石です。木と石の中間ともいわれており、暗い色で冷たく見えてしまいそうな石畳も、温かく穏やかな色合いを楽しむことができます。
素焼き
「石の素焼きって?」と、あまり思い浮かばない人もいるかもしれません。素焼きの石には、代表的なものでレンガがあります。お庭に素焼きの石畳を使うことで洋風な雰囲気を作り出すことが可能です。素焼きの石畳にはこのようなものが挙げられます。
〇テラコッタ
テラコッタの意味を直訳すると「焼いた土」となります。テラコッタは粘土で作られたものです。古くから使われてきたため多くのかたが目にしたことがあるでしょう。焼くときの温度によって色が変わり、趣のある見た目をしています。耐久性はあまりないため、雨水などで濡れないような場所に敷くとよいでしょう。
〇レンガ
粘土に岩を混ぜて作られたものです。こちらの石もテラコッタと同じく、さまざまな場所で古くから使用されてきた、吸水性と耐久性を兼ね備えた歴史のあるものです。
磁器タイル
磁器タイルとは粘土や長石を混ぜて焼き上げた素材のことをいいます。吸水率が1%未満ということで、水を吸いにくく、よごれが付着しにくい性質をもった石です。非常に応用が利き、マンションの壁をはじめとしたさまざまな場所で活用されています。
庭をどんな風にしたい?石畳の選び方
さて、石畳に使われる代表的な石をご紹介しましたが、ご自宅の庭をどんな風に飾りたいですか?思い描く理想の石畳を作り上げるためには、イメージを膨らませることが大切になってきます。
ここの項目では、どのような石がどんな効果を視覚的に与えるのかを紹介していきます。
洋風
【レンガ テラコッタ 天然石ステップストーン】
海外の多くの建築物に使われている、レンガやテラコッタ。色が赤茶色でよく似た見た目をしており柔らかい雰囲気を醸し出せます。
そのほかにも、天然石ステップストーンというものがあります。こちらは、おしゃれに魅せる効果だけでなく、その上を歩きやすいという特徴もありますので、機能面を重視したいかたは取り入れてみてはいかがでしょうか。
和風
【木目調タイル 飛び石 乱形石】
〇木目調タイル
優しい色合いのお庭を作るなら、木目調のタイルがおすすめです。本物の木は雨などで濡れると腐ることもありますが、木目調タイルにすることでそのような心配もなく木の味わいを楽しむことができます。また、敷石だけでなく外壁にも使用することができます。
〇飛び石
和風に魅せてくれるだけでなく、雨が降った日などもこの飛び石があることによって、足元を汚さずに済みます。
〇乱形石
乱形石を石畳に使う際は、不揃いな石を敷き詰めて使うことが多いです。暗めな色にすると、石本来の色味によって和風な雰囲気が出ますし、明るい色にすることで、レンガ風の洋風な印象を与えることができます。庭の見えかたに幅をもたせたいというかたは利用してみるとよいでしょう。
【市松敷き レンガ敷き 短冊敷き】
このように、敷きかたにも種類があります。選択する種類によって与えるイメージは変わってきますので、細かくご紹介していきます。
〇市松敷き
市松敷きは「和風な雰囲気を演出させることのできる代表的な敷き方」といっても過言ではありません。2種類の色を交互に、規則的に並べていくことでできあがる模様になります。
〇レンガ敷き
必要になる工程が多く初心者にはあまりおすすめできませんが、洋風な雰囲気が漂う演出をすることが可能です。ひとつのレンガに対してどう置いていくのかでデザインが大きく異なってきます。ヘリンボーンやホウレッドなどの種類があります。
ヘリンボーンはニシンの骨という意味で、織物などによく見られる魚の骨に似た模様になります。
ホウレッドとは、あとでご紹介するサークルストーンと形がよく似ていて、円形にすることでできあがる模様を指します。四角いもので円形にしていくのですき間ができます。もし、砂利を使ってみたいというかたがいらっしゃったら、この方法を採用してみてください。そうすれば、すき間を砂利で埋めることができます。
〇短冊敷き
その名のとおり、短冊形の石を均等に敷いていく方法です。フローリングをイメージするとわかりやすいかもしれません。長方形の石畳を並べることで、非常に古風で和風な雰囲気を演出できる敷きかたです。
初心者向き
これまでさまざまな方法を記述してきましたが、初心者でも扱いやすいものと上級者むけのものがあります。初心者向きの石畳は以下のとおりです。
- インターロッキング
- ピンコロ
- 磁器タイル
- ジョイントタイル
- パズル風ステップストーン
- 機械加工されている敷石
- 軽量なもの
難しそうに見えるものもあるかもしれませんが、規則性のあるものだと丁寧にやっていけばきれいに仕上げることができます。
上級者向き
それでは反対に、上級者向けのものを紹介します。
- 乱形石
- サークルストーン
乱形石は石の形がそれぞれ違うので、どこにどれをはめようか、迷ってしまうかたもいらっしゃるかもしれません。サークルストーンに関しては、規則性はありますが、円形なので乱れてしまうと修正が難しく感じてしまうかたもいるかと思います。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
【作業手順】庭に石畳を敷く方法
それでは実際に、庭に石畳を敷くとき、どのような順番で作業していけばよいのでしょうか。手順を説明していきたいと思います。
【1】はじめに、どの位置にどのような模様を作っていくのか決めていきます。迷ってしまわないよう、あらかじめ下書きなどをして、しっかり決めておくと作業がしやすく効率もよいでしょう。
【2】決めた位置に配置していきます。この段階ではまだ下地など塗っていないのでやり直せます。直感で選びたい!という場合は、【1】を省いてここからはじめてみてもいいかもしれません。
【3】次は下地を塗っていくために地面を掘ります。石をはめ込んでいくので、厚めに塗っていきましょう。
【4】下地を固める際にはただ放置するだけではなく、ランマーなどの専用器具を使って叩いて丈夫にしていきます。ここで最も重要なのは、モルタルなどの下地を使用する際は水平になるように塗っていくことです。なぜなら、下地は石畳を置いていくうえで地盤となるので、水平になっていないと、この上に乗る石畳もボコボコになってしまいます。
【5】水平に固めた下地の上に砂をまきましょう。
【6】敷石を配置します。
【7】選択した模様によってはすき間があくので、そこに砂利などを敷き詰めていくとよいでしょう。
【8】最後は水をまいていきましょう。そうすることによって下地が完全に固まります。
このように、簡単そうに見えて意外と工程の多い作業ですから、説明を見ても難しいと思われるかたもいらっしゃるかもしれません。ですが、ご自宅のお庭をご自身で素敵にグレードアップさせることができると思うと、チャレンジしたくなってくるのではないでしょうか。
【コツ】石畳をきれいに敷きたい!
いざ、石畳を敷くとなったらやはりきれいに敷きたいですよね。それでは、ここの項目では作業の際にやっておくとよりきれいに仕上げることのできるコツなどをご紹介していきます。
ゴムハンマーで叩いておく
対象の石をゴムハンマーで叩いておかなければ道が安定しないので、つまずいてしまうなどの原因になってしまいます。モルタルの上に石を置いたら、必ず水平になるように意識して叩くのがポイントです。ここでしっかり水平にしておくと、飛び出ている場所に足を引っかけてつまずく、転倒するなどの事故を防ぐことができます。
すき間を埋める目地砂利
どんなデザインにしようと、どうしてもすき間はできてしまうものです。そうすると歩くときに注意しなければ、つまずいてしまうなんてことになるかもしれません。そのような問題は、石畳のすき間を砂利で埋めれば解決します。
砂利の種類を選ぶときは、石とのコントラストが感じられるものを選ぶと美しくなるでしょう。もちろん、同系色でまとめても落ち着きがあってきれいです。
防草シートで雑草対策
ここで押さえておきたいポイントが、防草シートの種類についてです。防草シートを敷くことで地面と石畳の間から生える雑草を抑えることができます。不織布のものを選んでおけば、強度があり劣化も最小限に防ぐことができますので、そのあとのメンテナンスが楽にできます。
セメントを活用
石畳を設置する際は、全体を動かないように固定するために、珪砂(けいさ)などを使ってすき間をなくす必要があるのです。このとき、セメントを使用することをおすすめします。セメントは、接着剤や結合という意味があります。セメントで石同士を接着することで、珪砂などを使って固定するよりも頑丈になるので、より強度の高い石畳にすることが可能です。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
庭に石畳を敷くと良いことベスト3
庭に石畳を敷くことによって得られるメリットなどはあるのでしょうか?ここの項目では石畳を敷くことによる効果をご紹介していきます。庭に石畳を敷こうかまだ迷われているかたも中にはいらっしゃるかもしれませんが、ぜひこちらを参考にしてみてください。
見た目がよい
高級感を演出することができます。これは、視覚的にわかりやすく訴えることができるので、石畳を敷くことによって得られる最大のポイントといえるでしょう。
足元がよごれない
雨が降ったあとでも泥が靴につきよごれる心配がありません。また、地面のぬかるみを気にすることなく歩きやすいというのも、メリットのひとつといえるでしょう。
雑草が生えにくい
土の面積が必然的に少なくなるので生えにくいといえるでしょう。また、除草シートを併用することによってより効果を発揮することができます。
庭作りは敷石を並べるだけではない!
ご自宅の庭をより充実したものにするには、敷石だけではもの足りないと感じるかたもいらっしゃるかもしれません。それでは、どのような方法で庭を魅せていくことができるのでしょうか。今回は、石畳以外のものを使ってきれいな庭を作る方法を5種類紹介していきます。
枕木・花壇・芝生・砂利敷き・ウッドデッキ
〇枕木
比較的お値段もリーズナブルで手に入りやすいので、ガーデニング初心者にもおすすめです。形や質感にこだわれば、和風・洋風のどちらも演出することが可能です。
〇花壇
庭が華やぐこと間違いなし!そういっても過言ではありません。お好きな花を植えるだけで、気分もリラックスさせることができるでしょう。
〇芝生
メンテナンスが大変そうに感じるかたもいらっしゃるかもしれませんが、人工芝を選べば、天然芝に比べて楽にお手入れすることが可能です。芝生に寄ってくる虫などの心配もなく、敷いたあとも特に難しいメンテナンスをする必要はほぼありませんので、気軽に取り入れやすいのではないでしょうか。
〇砂利敷き
砂利は、石畳の隙間に埋め込むようにして飾ってあげるとおしゃれなポイントとなります。砂利にもいくつか種類があるので、ものによっては安価できれいに仕上げられます。
〇ウッドデッキ
窓から見えるウッドデッキは庭にあるだけで存在感が出て、こなれた洋風な雰囲気を演出することができます。さらにウッドデッキの上で植物を育てることができるなど、楽しみかたにバリエーションが出るので飽きずに楽しむことが可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。石畳がご自宅の庭にあると高級感を演出できるほか、歩行しやすくなるなどのメリットがあることを知っていただけたと思います。
さまざまな種類の石があることを知ると、いろんなシーンでよく見かける石がどんな役割を果たしているのか、どうしてその石を選んだのか、など。考え始めるとさらに奥の深いところまで知りたくなってしまうかたもいらっしゃるかもしれませんね。
ですがもし、お庭作りで困ったら、業者に相談してみてください。お庭作りのアドバイスをくれるほか、今後役立てることのできる情報なども教えてもらえるかもしれません。思い描いている理想のお庭ができあがることが期待できるでしょう。