大きく成長する木が邪魔になってしまったり、お手入れの手間に悩むなかで、
「松の木は自分でも伐採できるのかな?」
「業者に頼むにしてもお金がかかりそう……」
と困っている方もいらっしゃるでしょう。
考えているうちに松は伸びていくため、自分ではお手入れができない状況になっていたり、気付けば自分の敷地から飛び出して近隣トラブルを起こしてしまうことも……。
伐採をするとそんな状況から解放されますが、伐採は事故や怪我の危険がともない、時間も費用もかかるので、どうすればいいのか迷ってしまいます。
また、誤った選択をしてしまうと後悔するおそれがあります。
今回は、松の木を伐採する計画を立てるために、自分で松の木を伐採する手順や業者に依頼したときの費用、お祓いのことを詳しく解説していきます。
適切な伐採ができるようになり、松の木を管理していく負担をなくすために本記事がお役に立てばうれしいです。
自分で伐採できる松の木の目安
「費用を抑えるために自分で伐採したい」と検討中の方もいると思いますが、初心者が安全に伐採できるのか判断するのは難しいです。
弊社の加盟店である伐採のプロによると、高さ2.5m以下かつ幹の直径が10cm程度までのサイズだったら初心者でも自分で伐採できるそうです。
とはいえ、のこぎりやチェーンソーを使う作業のため、怪我や事故につながるおそれのある大変危険な行為です。
周囲に建物や電線があったり、安定した足場を確保できない場合は危険度が高くなるので、業者に任せることをおすすめします。
ちなみにお家の1階の高さが約3m、2Lペットボトルの直径が約10cmのため、判断基準に困ったときは参考にしてみてください。
自分で松の木を伐採する方法
伐採作業の適期は、松の木の成長が止まり、乾燥して水分量が少ない晩秋から冬の時期です。
そのうえ松特有のマツヤニも少なく、作業がしやすい条件がそろっています。
ただし、近隣問題や木が病気で放っておけない場合は、気にせずすぐに伐採して問題ありません。
作業する前は、以下の手順をしっかりと確認してください。
安全に効率よく伐採を進めるための手順を解説していきます。
自分で松の木を伐採する手順
まずは、安全かつ効率的に伐採するために必要な道具を準備しましょう。
松の木が自分で伐採できる大きさなら、特別な重機は使わないので手軽に揃えられます。
- ヘルメット
- のこぎり(またはチェーンソー)
- 防護服
- 防振で滑りにくい手袋
- 安全靴
- ゴーグル
- ロープ
伐採の手順は以下のとおりです。
草や石、周りのものや作業の邪魔になるような枝をすっきりさせて、作業の支障になるものを取り除きます。
切り倒す木の枝が多いときは、枝を先に切断して安全を確保しておかなければなりません。
伐採する方向に人がいないか、他の木が邪魔にならないか確認をして対処します。
倒したい方向に木を倒すために、倒したい方向に引っ張るようにロープを張っておくと安心です。
受け口は、幹の直径4分の1程度の箇所に30°〜45°の切り込みを入れます。受け口をつくることによって木を倒す方向を確実にし、木材が裂けるのを防ぎます。
受け口から幹の直径の約3分の2の高さのところで、水平に切り込みを入れます。ツルが、幹の直径の10分の1の長さになるようにしましょう。
木はツルを支点として倒れ始めますが、倒れないときは木を押すと倒れやすくなります。
木が倒れ始めたら、危ないので木から離れてください。
伐採時にチェーンソーを使用するのであれば、足場を徹底的に整えてください。
なぜなら、作業をしているときに滑ったり転倒が原因で怪我をしてしまう事例が多いからです。
実際に、チェーンソーによる傷病部位別(2016年、厚生労働省資料)では、70%を【下肢】が占めています。
参考文献
石垣 正喜・米津 要.改訂版 伐木造材とチェーンソーワーク.全国林業改良普及協会,2021
伐採の詳しい手順はこちらの関連記事をご覧ください。
伐採道具の選び方も参考にしていただけます。
伐採後は抜根と処分までしっかりおこなう
伐採だけでは、まだ根の張った切り株が残ってしまっています。
すみやかに抜根をおこない、処分をしましょう!
というのも、伐採をしたあとに切り株を放置しておくと、つまずいて怪我をするリスクがあったり、新しい芽が出てきてしまったりと望んでいない状況になってしまうためです。
そればかりか、害虫のシロアリが寄ってきてしまうかもしれません。
シロアリが家に侵入してきたら家の木材までエサとなり、私たちの生活する場所にも悪影響を及ぼしてしまいます。
以上のような出来事が起きてしまわないように、伐採が終わったら抜根と処分までしっかりとおこない、二次被害を防ぎます。
抜根の情報や手順は以下の関連記事をご覧ください。
業者に依頼したときの伐採費用と費用を抑える方法
プロに依頼すると安心ですが、実際にどれくらいの費用がかかるのか気になりますよね。
弊社の加盟店にアンケートを実施したので、伐採単価の相場と費用に関するアドバイスを紹介していきます。
費用相場とその内訳
以下の伐採費用は、弊社の加盟店14社からいただいたアンケート結果をもとに算出した、木1本あたりの伐採費用の相場です。
多くのサイトでは「1万円~」のように最低価格が掲載されていますが、これが実際の費用とお考えください。
木の高さ | 伐採費用 |
---|---|
3m未満 | 16,464円 |
3~5m未満 | 28,714円 |
5m以上 | 41,786円~ |
調査日:2023年7月6日~7月13日
シェアリングテクノロジー株式会社に加盟している業者にアンケートを送付(伐採業者23件中14件の回答にもとづく)
以上のように、伐採は木の高さをもとに料金が設定されています。
大きな木は別途見積りとなっている業者がほとんどです。
そういうときは、業者に連絡をして費用の相談をしてください。
費用には、危険度・難易度と重機代の作業費+出張費が含まれています。
伐採した木の処分費用は含まれていません。
また、切り株の抜根を依頼する場合も処分は別途費用になります。
業者選びに困らないために複数の業者の見積りを比較する
前述したように、業者によって料金設定が異なっていたり、松の木の状態や作業をする環境に対してどのような判断をするのか違いがあります。
効率よく業者を選ぶには複数の業者の見積を比較するとよいです。
「1社1社リサーチするのは面倒!」と感じるときは【お庭110番】のサービスをご活用ください。
伐採業者を代わりにお探ししてご紹介するサービスを提供しています。
ご希望やご相談の内容に応じて最適な業者を弊社スタッフが厳選して手配します。
※1 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。※2 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。
補助金を受け取れるケースがある
いざ伐採を依頼したいと思っても、伐採費用が高くてなかなか踏み出せないままになっていませんか?
じつは、松の木の伐採には松くい虫(マツ材線厨病)による松枯れ被害のまん延防止対策として、補助金の交付をおこなっている自治体があります。
なお、各自治体の交付申請の提出し、条件を満たしている場合に適用されます。
- 所有・管理する個人および団体
- 申請回数
- 所有者が事業者等に委託すること
- 市税を滞納していないこと必要書類の提出
申請は作業を実施する前におこなわなければなりません。
お住まいの地域で実施されているか、申請に必要な書類は何か、あらかじめ確認しておきましょう。
もしかしたら費用の一部の補助を受けられて、負担が減るかもしれません。
参考:松本市|松くい虫被害防除事業補助金(事業実施前に申請が必要です)(最終閲覧日:2023年7月17日)
松の木を伐採するのは縁起がよくないといわれる理由
「松の木は縁起のよい象徴といわれているけど伐採しても大丈夫なのか?」と気になる方に向けて、松の木とお祓い方法を解説していきます。
なぜ、松の木を伐採するのは縁起がよくないといわれるのでしょうか?
松は「松竹梅」の1つで縁起のよい象徴なのはご存じだと思います。
加えて、「ご神木」や「木霊(こだま)」の言葉のとおり、この世に存在するすべてのものに神が宿っているという考えがあり、木を切ることはバチ当たりな行為とされてきたためです。
どうしても木を切り倒さなければならないときに、木に対して感謝や謝罪の気持ちを込めてお祓いをする風習が、今でも伐採前はお祓いが必要であると認識されています。
お祓いは神社に依頼するイメージがありますが、気持ちを込めて供養ができれば自分でもできます。
「松の木を伐採して縁起が悪くなったらどうしよう」と不安なく伐採するためにお祓いのやり方を紹介していきます。
自分でできるお祓いのやり方
きちんと自分で形式的に供養をしたい方は、お皿とお清めの塩、お神酒とグラスの4つを準備しましょう。
難しければ、手に入りやすい日常で使う塩やお酒で構いません。
まずはお神酒をグラスに注ぎ、木にお供えをしてからお皿に塩を盛ります。
それから木に盛り塩をお供えして挨拶をします。
必ずしもお祓いを依頼しなければいけないわけではありません。
木に対して、「今までありがとう」の気持ちと私たちの都合で伐採してしまうことに「ごめんなさい」の謝罪の気持ちを伝えることが大切であって、自分のできる方法で、これまで守ってきてくれた木に気持ちを伝えてください。
参考:RYOKUSUI|木のお祓いって 感謝の気持ちを伝える行事 伐採はこれからの時期がぴったり(最終閲覧日2023年7月17日)
まとめ
最後に、松の木を伐採する計画を進めるためにおさらいします。
以下のポイントをおさえておくことで松の木伐採を最適におこなうことができます。
- 高さ2.5m以下かつ幹の直径が10cm程度までの木なら初心者でも伐採できる
- 作業がしやすい条件がそろっているのは晩秋から冬
- 伐採後はしっかりと抜根と処分をおこなうこと
- 業者の伐採単価の相場は木の高さで異なり、伐採した木の処分の費用は含まれていない
- 木に気持ちを込めてお礼をする
自分でできるか不安で自信がない方は、無理をせずプロに任せることも1つの手段です。
まずは複数の業者の見積りを比較をしてみてください。
業者探しの際は【お庭110番】にご相談くだされば、全国の加盟店からお客様の希望に沿った伐採業者を厳選して紹介いたします。
効率よく、安心して任せられる業者を素早く見つけるためにご活用いただけます。
無料相談窓口にて24時間365日受け付けていますので、ぜひお気軽にお電話ください。
安全に松の木を伐採して、お庭に関するお悩みごとからいち早く解放されましょう。