大切な芝生の景観を守るためには、定期的な雑草対策が必要です。しかし、抜いても抜いても生えてくる雑草に、心が折れてしまう方も多いでしょう。
芝生雑草の対策は、きちんと雑草の特徴を押さえた上で、効果的なやり方でおこなうことが大切です。
そこで今回は、芝生に生える雑草の種類や特徴、除草に適した時期、除草のコツなどについてご紹介します。芝生雑草にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
お庭の芝生に生える雑草の種類
芝生に生える雑草には、“種子から増えるタイプのもの”と“地下茎から増えるタイプのもの”の2種類があります。雑草は増え方によって対処法が異なるので、除草をおこなう際は、芝生に生えている雑草がどちらの増え方のものであるのかを確認することが重要です。
まずは以下の画像を参考に、ご自宅の芝生に生えている雑草がどのタイプであるのかを判別してみましょう。
【種子から増えるタイプ】
![]() オヒシバ |
![]() メヒシバ |
![]() エノコログサ |
![]() ナズナ |
![]() ツユクサ |
![]() スズメノカタビラ |
![]() コニシキソウ |
![]() チドメグサ |
![]() ツメクサ |
【地下茎から増えるタイプ】
![]() スギナ |
![]() ヨモギ |
![]() ヤブガラシ |
![]() ドクダミ |
![]() タンポポ |
![]() セイタカアワダチソウ |
![]() カタバミ |
![]() クローバー |
種子で増える種類
ここからは、種子で増えるタイプの雑草についてより詳しくご紹介します。種子で増えるタイプの雑草は、雨や風などによって遠くまで種子を飛ばすことができる ため、思いがけないような場所に繁殖することもあり、非常に厄介です。
種子で増えるタイプの雑草には、具体的に以下のような種類があります。
名称 | 特徴 | 名称 | 特徴 |
オヒシバ | 多いのは夏だが、通年で見られる雑草。 茎は這(は)うように横に広がっている。 |
メヒシバ | 夏に最盛期を迎える雑草。 細長く外に広がった葉を持つ。 |
エノコログサ | “猫じゃらし”としても知られる、比較的背の高い雑草。 | ナズナ | 春から夏頃に白くて小さな花をたくさん咲かせる雑草。 別名“ぺんぺん草”。 |
ツユクサ | その名のとおり梅雨など湿気の多い季節を好む雑草。 放置しておくと根が横へ横へと広がって繁殖する。 |
スズメノカタビラ | 寒さに強く、年間を通じて見られる雑草。 | コニシキソウ | 濃い緑の葉に紫色の模様があるのが特徴の雑草。 成長すると横へ横へと広がっていく。 |
チドメグサ | 丸くて広がった葉を持つ雑草。 湿気を好み、夏~秋頃に最盛期を迎える。 成長すると、上ではなく横へと伸びていく。 |
ツメクサ | 爪のような細長い葉が特徴的な雑草。 春から夏頃に最盛期を迎える。 葉が小さく、抜き取って除草するのが難しい。 |
地下茎で増える種類
では次に、地下茎で増えるタイプの雑草について詳しくご紹介します。このタイプの雑草は、“地下茎”と呼ばれる、根のような茎を地面の下に伸ばすことによって繁殖するのが特徴です。
地下茎ごと引き抜かない限り根絶することができないので、除草が非常に難しいといわれています。
名称 | 特徴 | 名称 | 特徴 |
スギナ | 成長すると上へ上へと伸びていく雑草。 地下茎ごと除去しない限り繁殖し続けるので、除草が難しい。 |
ヨモギ | 地下茎だけでなく、種子でも繁殖できる雑草。 芝生に限らず、さまざまな場所に繁殖する。 |
タンポポ | 春になると黄色い花を咲かせる雑草。 根が地中深くまで伸びており、引き抜くのが難しい。 |
セイタカアワダチソウ | その名のとおり背丈が高い雑草。 10月頃になると花がつく。 除草の際、地下茎が残るとすぐにまた繁殖してしまう。 |
ヤブガラシ | “つる”を伸ばしながら繁殖する雑草。 非常に高い生命力を持ち、除草剤も効かない場合がある。 |
ドクダミ | 直射日光の当たりにくい場所を好んで繁殖する雑草。 外傷を受けると強烈なニオイを発する。 |
クローバー | 春から秋にかけて花を咲かせる雑草。 “シロツメクサ”と呼ばれることもある。 地中深くまで地下茎が伸びており、簡単には抜き切れない。 |
カタバミ | 丸い葉が特徴的な雑草。 暖かい時期には花を咲かせる。 地下茎が地中に広がっているので、抜き取って除草するのは難しい。 |
雑草の成長時期からわかる除草の時期
雑草の除草は、“最適な時期”におこなうことが大切です。除草の時期が適切でないと、すぐにまた繁殖がはじまってしまうこともあります。
除草に最適な時期は、雑草の成長時期と大きく関係しています。そこでここからは、雑草の成長時期と、除草に最適な時期を確認していきましょう。
一年草と多年草の成長時期
雑草の成長時期を理解する上でまず知っておかなければならないのが、“一年草”と“多年生雑草”の違いについてです。雑草はその寿命の違いによって、“一年草”と呼ばれるものと“多年生雑草”と呼ばれるものに分けられます。それぞれの具体的な違いは、以下のとおりです。
・一年草
飛んできた種子が地面に根付き、開花や繁殖をして、最終的に枯れる……、という一連の動作を“1年単位”で繰り返している雑草のことを、“一年草”といいます。一年草に分類される雑草には、種子から増えるタイプのものしかありません。一年草は、夏の時期に生育する “夏雑草”と、冬の時期に生育する“冬雑草”に分類することができます。
<代表的な夏雑草>
メヒシバ、オヒシバ、エノコログサ、コニシキソウ、ツユクサなど
<代表的な冬雑草>
ナズナ、スズメノカタビラ、カラスノエンドウなど
・多年生雑草
寒さや暑さの厳しい季節に地表から出た草部分が枯れてしまっても、地中に伸びた茎や根によって1年中生命を保つことができる雑草を、“多年生雑草”といいます。多年生雑草には、種子から増えるタイプと、地下茎で増えるタイプの雑草のどちらもあるのが特徴です。
<代表的な多年生雑草>
ヤブガラシ、カタバミ、スギナ、セイタカアワダチソウ、ドクダミなど
・一年草と多年草の成長時期
一年草の夏雑草と冬雑草、そして多年生雑草は、それぞれ成長する時期が異なります。年間の成長スケジュールは、以下のとおりです。
除草に適した時期
雑草の成長時期がわかれば、除草に適した時期も自然と見えてくるものです。成長時期を踏まえた上で、以下に各雑草の除草に適した時期をご紹介します。
・一年草の場合
一年草の場合は、夏雑草と冬雑草とで成長時期が異なることから、除草に適した時期も違います。夏雑草の場合は、4月頃から成長がはじまるため、その直前である3月頭頃から芽を摘(つ)んでおくのがおすすめです。
一方、冬雑草の場合は8月下旬~秋頃に成長をはじめます。夏の終わりから秋口にかけて、芽を摘んでおきましょう。
・多年生雑草の場合
多年生雑草は基本的に、夏を最盛期とするものが多いため、発芽がはじまる3月頃から芽を摘みはじめるのがおすすめです。
・芝生をもっとキレイにしたいなら……
上記の時期に芽を摘んでいても、雑草の発芽を完全に阻止できるわけではありません。芽を摘み切れず、雑草が生えてきてしまった場合は、夏雑草や多年草が最盛期を迎える直前(6月・7月)と、最盛期を終えた後(9月・10月)頃にも除草をおこないましょう。
さらに、冬雑草が最盛期を迎える11月・12月頃の冬の時期にも除草をおこなうと、芝生の景観を1年中キレイに維持することができます。
お庭110番へ芝依頼が多い時期
ここまで、雑草の成長時期から逆算した“除草に最適な時期”をご紹介しましたが、一般的には、除草は何月頃におこなわれることが多いのでしょうか?ここでは、参考として、弊社「お庭110番」に依頼のあった芝刈りや草刈りについて、月別の依頼件数をご紹介します。
こちらのグラフからわかるように、芝生関連の依頼は春から秋にかけてがもっとも多く、冬になるにつれて減っていく傾向があります。多くの雑草が最盛期を迎える7月~8月においては、1~2月頃の数倍の依頼が殺到していることがおわかりいただけるはずです。
おそらく、夏の最盛期は雑草の成長が非常に早く、自力で除草をするのでは追い付かないことも多いため、業者に依頼する人が多いのでしょう。
芝生の雑草処理で困ったらこちら
芝生に生えた雑草は、自分で処理することも可能です。しかし、膨大な量の雑草が生えてしまっている場合や、真夏の最盛期に次々と生える雑草の場合、自力での除草には限界があるでしょう。
芝生の雑草処理で困ってしまった場合は、ぜひ弊社にご相談ください。全国各地に抱える加盟店のなかから、もっともはやく対応できる業者をお探しし、ご紹介いたします。もちろん、ご紹介料は無料です。弊社のコールセンターは24時間稼働しておりますので、いつでもお気軽にご連絡ください。
芝生の雑草駆除の方法
ここまで、芝生に生える雑草の種類や、除草すべき時期についてご紹介しました。それらを踏まえ、ここからは具体的な“雑草の取り方”についてご説明します。
手で取る
雑草を取る方法として、一番シンプルなのが“手を使って草を抜く”というものです。以下に必要な道具やコツ、注意点などをご紹介します。
<必要な道具>
・軍手
手をケガしないようにするため、必ず着用しましょう。
・スコップ
根を土ごと掘り返すのに便利です。
・カマ
背が高い雑草は、一度カマを使って根元数センチのところで刈っておくと、草むしりがしやすくなります。
・ゴミ袋
除草した雑草は、ゴミ袋に入れて、燃えるゴミとして回収してもらいましょう。
<コツ>
草むしりは、「一度に全部やる」と考えてはいけません。一気に終わらせようと思ってはじめると、なかなか終わらない現実が嫌になり、途中で投げ出してしまうことがあるからです。「今日はこの一角まで」「明日はあそこまで」など、短期的な目標を定めて、少しずつおこないましょう。
また、草をむしり取るときは、しっかり雑草の根元を握って、根が切れないように注意しながら引き抜くことが大切です。勢いよく引っ張ってしまうと、根が地中に残ってしまい、またすぐに雑草が生えてきてしまいます。
とくに地中に伸びた“地下茎”によって繁殖するタイプの雑草の場合は、根や茎の先までしっかりと引き抜くようにしてください。
<注意点>
手でおこなう除草は、とても時間がかかるものです。長時間、炎天下で除草を続けていると、熱中症になってしまうこともあるかもしれません。除草作業をおこなう際は、必ずツバの広い帽子を着用し、水分をこまめに取る ことが大切です。
また、除草の最中はハチなどによる虫刺されにも気をつけましょう。スズメバチなど毒性の強いハチに刺された場合、呼吸困難などのショック症状(アナフィラキシーショック)を引き起こすおそれがあります。周囲にハチなどの巣がないか確認したり、虫よけスプレーを使用したりと、虫さされ対策も忘れずにおこなうようにしてください。
除草剤を使う
範囲が広すぎる場合は、手で除草するのには限界があります。そういった場合は、一気に除草ができる“除草剤”を使うのがおすすめです。除草剤を使った除草方法については、以下のリンク先にて詳しくご説明していますので、興味がある方はぜひ確認してみてください。
【NGな取り方】塩・熱湯・芝刈り機
よくネットの口コミなどでは、「実は除草に便利!」といって意外な方法や道具が紹介されていることがあります。しかしそういったもののなかには、あまりおすすめできないものもあるため、実践する場合は注意が必要です。ここでは、その一部をご紹介します。
・塩をまく
塩は水分を奪う性質があるため、雑草が生えている場所にまくと、雑草の水分を吸い、枯らせることができます。そのため、除草行為として塩をまく人も少なくありません。しかし、一度地面に塩をまいてしまうと、雑草以外の植物も育たなくなってしまいます。
芝生の景観を取り戻すために除草しているはずなのに、それによって芝生まで枯れてしまったら意味がないですよね。芝生の雑草除去に“塩”を使うのは、やめておいたほうが無難といえるでしょう。
・熱湯をかける
多くの植物には、“極端な高温に弱い”という特徴があります。そのため、「雑草に熱湯をかけて枯らせる」という方法が紹介されていることもあるでしょう。しかし、この方法もあまりおすすめはできません。
熱湯による除草にはヤケドの危険性が伴うほか、雑草の範囲が広い場合、何度もお湯を沸かす必要があり、手間もかかります。また“塩をまく方法”と同様に、熱湯を使って除草をおこなうと、雑草だけでなく芝生が枯れしまうこともあるのです。
・芝刈り機を使う
伸びてしまった芝生を整えるために使用する“芝刈り機”を、雑草にも使おうとする方がいますが、やはりこれもおすすめできません。芝刈り機は刃を回転させながら葉を刈り取っていくものですので、これによって除草をすると、雑草の種子や根が四方八方へと飛散してしまいます。
種子や根が周辺にばらまかれると、そこから再び雑草が生えてきてしまうことがあるのです。それでは本末転倒ですよね。したがって、雑草の除草において芝刈り機を使うのは、避けたほうがよいといえるでしょう。
めんどうな雑草処理から解放されたい方
手作業でおこなうにせよ、除草剤を使っておこなうにせよ、いずれにしても自力で除草をおこなう場合、大変な労力と膨大な時間がかかります。「めんどうくさい」と思う方もいることでしょう。めんどうな雑草処理から解放されたい方には、はじめからプロに雑草処理を依頼してしまうのがおすすめです。
雑草処理をプロに任せれば、自分で作業したときにかかる時間を一切省くことができ、労力を使う必要もありません。雑草処理の知識と経験を持つプロの手で、万全な雑草対策をおこなってくれることでしょう。
一方で、「プロに頼みたいけれど、費用がどれくらいかかるのかがわからなくて不安」という方もいるのではないでしょうか。そういった方へ向けて、ここでは弊社のご紹介する業者に芝生のお手入れを依頼した場合の、費用平均をご紹介します。
上記のグラフから、業者に除草をお願いした場合でも1万円台の支払いで収めている方がかなり多いということがおわかりいただけるはずです。
なかには5万円以上をかける方もいますが、これはエアレーションやサッチングなどといった本格的なお庭管理を希望しているためであると考えられます。
もし具体的な金額がお知りになりたい場合は、ぜひ弊社までお問い合わせください。加盟店のスタッフを現地に派遣し、無料でお見積りをご提示いたします。
芝生の雑草対策
除草はとても労力がかかるものですので、できれば雑草の繁殖自体を予防したいものですよね。そこでここでは、芝生に雑草が生えるのを防ぐための対処法についてご紹介していきます。
芝生の雑草を予防する
芝生の雑草を予防する方法には、以下のようなものがあります。
・芝生の高さを少し高めにする
芝生の背丈が全体的に高くなると、草丈の短い雑草は日光を浴びづらくなるせいか、生育しづらくなるといわれています。芝刈り機を使って芝生をカットする際は、少し長めの25ミリ程度に揃えるとよいでしょう。
・芝生への肥料を減らす
美しく芝生を育てるため、肥料をまいている方もいるかもしれません。しかし、肥料を与えすぎていると、雑草がより活気づいてしまうこともあるでしょう。もし雑草の発育がよすぎる場合は、今までよりも肥料の量を減らすことを検討してみてください。
芝生のお手入れ・管理を怠らない
芝生の雑草対策においてもっとも重要なのは、日頃から芝生のお手入れを心がけるということです。お手入れの際に気をつけるべき点について、より詳しくお知りになりたい場合は、以下のリンク先を参考にしてみてください。詳細が記載されています。
芝生のお手入れがラクになる「代わりのモノ」
「もうこれ以上、雑草の除草に悩まされたくない!」という場合は、思い切って天然芝をやめてしまうのもよいでしょう。ここからは、芝生のお手入れがラクになる“天然芝の代用品”についてご紹介します。
人工芝生
人工芝生とは、ポリエチレンなどの合成物質で作られた芝生のことです。天然芝生と違って、一年中緑が枯れることがありません。水や肥料を与える必要がないどころか、雑草が生えてくることもほぼないため、お手入れも非常に簡単です。
ただし、天然芝生とは異なり四季による変化を楽しむことはできません。また、天然芝生と比べると、設置の際の費用がかさむ傾向があります。人口芝生を導入する場合は、メリットとデメリットを天秤にかけながら、よく検討するようにしましょう。
グランドカバー
「雑草予防はしたいけれど、人工芝生にはちょっと抵抗がある」という方には、“グランドカバー”の利用がおすすめです。ここでは、グランドカバーについて簡単にご説明していきます。
・グランドカバーとは
グランドカバーとは、その名のとおり「地面を覆ってくれる」植物のことです。地面を這うように伸びる植物を、グランドカバーとして芝生の代わりに植えておくことで、雑草の繁殖を防ぐことができます。
・おすすめグランドカバー
グランドカバーとして使えるのは、背丈が低く、地面を這うように繁殖する植物です。また、日当たりが悪くても成長し、踏みつけなどにも強い植物であればさらによいでしょう。グランドカバーとしておすすめの植物には、以下のようなものがあります。
- アップルミント
- クリーピングタイム
- セダム
- ヒメイワダレソウ
- ワイヤープランツ
- リシマキヤ
上記は、年間を通じて枯れることがない“常緑性”を持つものや日光をあまり必要としないもの、踏みつけに強い丈夫なものばかりですので、グランドカバーには最適です。ぜひこれを機に、お庭のグランドカバーとして採用してみてはいかがでしょうか。
なお、弊社にご相談いただければ、人工芝生やグランドカバーの張り付けにも対応できる業者をご紹介することが可能です。弊社のコールセンターは年中無休でお客様からのご相談を承っておりますので、思い立ったタイミングでお問い合わせいただけます。お客様からのご相談を、心よりお待ちしております。